
去る令和元年11月4日(月)、中央区立総合スポーツセンター第1武道場において、私ども中國武術・義龍會が開催した『拳王杯/全日本日式散打選手権』第20回記念大会において、ある参加団体とその選手たちによる不祥事が発生したため、主催団体の責任と権限において、以下の通り対応することを決定致しました。
●入賞・受賞の取り消し、及び出場記録の抹消
団体名「八卦掌64LAB」
中量級準優勝 A選手、同級3位 O選手(当該団体代表者)
重量級優勝 S選手
森良之祐賞 O選手(前記同)
●理由
①意図的かつ重大な危険行為
S選手は某大学レスリング部に所属し、公式の大会でも上位入賞の実績を残す専門選手である。本大会でも、拳法技を使用せずほぼ100%、レスリングの投げ技で試合を進めた。 その際、重大な損傷・障害につながる恐れのある投げ技を複数回使用。むろん審判団はそれに対してその場で注意を与えた。
これが重大な反則行為に当たることは、本大会ルール “ ④反則行為(4)及び(5)”に明記してあるし、当日事前のルール説明でも口頭で触れている。にもかかわらず、事後も危険な投げ技を使用し、出場選手の一人に重傷(肩)を負わせた。これがもし死亡事故なら、未秘の故意を論拠とした刑事事件となるところであった。
私ども主催団体の責務は、出場した選手を、可能な限り無事な姿で日常生活に帰すことである。今回のようなことをもし見過ごしてしまえば、その責務は全う出来ない。
以上の見地から、当該選手の優勝を取り消し、大会記録からも抹消せざるを得ない。
②虚偽申告
本大会は、中国武術修行者のみにその参加対象を絞った大会である。 しかるに当該団体は団体名に中国拳法を冠しながらも、当日の試合においてはその技術をほとんど使用せず、中国拳法の要素が見受けられなかった。 当日の記録映像が、これを証明している。 この点からも、主催団体としては①同様の結論を出さざるを得ない。
③大会に対する事後の誹謗中傷と名誉棄損
後日、当該団体はネット上(ツイッターやフェイスブックなど)において、大会に対する誹謗中傷を行った。しかもそれがことごとくウソであり、大会と主催団体の名誉を棄損し、信用を著しく傷つけた。
その類の書き込みは多々あったが、ここでは最も重大なウソを一つ挙げる。
それは、私どもが当該団体に不利となるよう2度もルールを変えた、というもの。これが最も悪質なウソ。 主催者責任において、ルールに明記した通りの注意を促しただけのこと ―――
これが事実である。
それを偽って、本大会が不正なものであるかの如き印象を、ネットを通じて不特定多数に与えたことは、決して見逃すわけには行かない。
ここからも、主催団体としては①②同様の結論を出さざるを得ない。
●さいごに
―以上①~③は、どれひとつをとっても大会史上、前例のない不正行為でありました。
したがって、残念ながら、私どもは当該団体選手の入賞・受賞を取り消し、出場記録からもこれを、抹消せざるを得ない、という結論に達しました。
このことは、社会的常識や良識を有する者なら、誰でも容易に理解できることと信じます。
また、ここに記したことは全て客観的事実であります。当日現場の一部始終は大会公式記録映像に明らかです。
苦労を重ねて20年間、斯界の発展を祈って大切に育ててきた大会であるのに、その記念すべき20年目にこのような不祥事を引き起こされたことは慙愧の念にたえません。
以上、各位ご賢察のほど、なにとぞ今後とも宜しくお願い申し上げます。
令和元年(2019)11月25日
第20回拳王杯/大会実行委員長
中國武術・義龍會
宗師師範 廣瀬義龍
並びに門下一同
大会顧問
河野容雄(美剣体道・師範)
大会審判団
今野敏(少林流空手今野塾・塾長)
勝野真純(少林流空手今野塾・師範代)
神原利和(少林流空手今野塾・指導員)
牧野英世(日本拳法波頭館・宗家)
牧野寛人(日本拳法波頭館・館長)
鈴木智久(中國武術・義龍會首席師範代)
来賓代表
藤平和雄(世界空手道連盟 士道館・最高相談役)